「よく来たね」(apbankfes08inつま恋)

「バンクバンド!!」
たった一言、こう叫んだだけ。あとは全部歌で届けてくれた。叶わなかった約束がようやく実現する、またこうしてつま恋で会えた。その喜びや感謝が詰まった、優しい旋律で出迎えてくれた。
年々あの男は身軽になる。余計なものを捨ててって、どんどんシンプルになるけど、より気持ちのこもったものをみせてくれる。バンクフェスという空間を慈しみ、そこで出会う人達への愛情を素直に向けて歌い楽しむ。その姿がとても自然で羨ましいくらいでした。そんなにも信じれる何かがあるのが羨ましい。本当に羨ましい。
そんな風に思っちゃったせいか、大好きだったあの空と緑の空間がどこかよそよそしく感じちゃいました。でも空と緑は変わりなくあって、そこに“想い”に応えた風が通るのはとても気持ちよかった。羨ましがってばっかないで、自分もこの気持ちを信じりゃいいのかな。自覚するより心も身体もこり固まってた様でしたが、音楽漬けの週末で少しはほぐれたんならいいな。
今年は雨が降らなくて、珍しく空と緑と太陽ばかりに、たくさんたくさん風が起きた。想いにあわせて風が踊る。この場所が変わりなく続いて欲しいと思いました。もし自分がここにいなくても、この優しい響きに満ちる場所が変わらずにあるなら、羨ましいと感じたものを信じていける気がするんです。変わらずに、変わっていけばいい。この場所も、届いた想いも。また来年もこの場所に風よ、起これ。

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以下特化感触と報告<大橋卓弥>
スターさま、ソロっぷりをつつかれつつも相変わらず一番楽しんでらっしゃる様子と選曲。「星になれたら」をありがとう。今年初のソロとスキマがバンクフェスでした、ごちそうさま。<ゆず>
まさかの「ワンダフルワールド」が「眼差し」なしでも納得の時間!あの場所で変わらずに歌いきった事と、サクのコーラス参加で意思の融和が起こった事、見事でした。<レミオロメン>
個人的に野外のレミは二年ぶりでしたが、やーいい風吹かせますな。新曲は「オーケストラ」と「もっと遠くへ」。藤巻の持つ素直さは時々気恥ずかしいですが、その飾らなさがレミの持つ希望をたくましくさせてると思います。そしてやっぱりメロディが一部気持ち悪い。「リズム」が啓介さん作曲で素敵すぎたから久しぶりに新鮮。

ミスチルファンに優しくしてもらいにきました」
アウェイこそハリキリ牙をむく。ドがつくほどのアウェイっぷりでしたけども、しっかり場に存在を刻み付けてきました。初年度にバンクバンドが、そして2年目にはミスチルが奏でた。そして3年目にここで響くはずだった。本家ピロウズの「ストレンジカメレオン」がっとこの場所をかけめぐった。願いの連鎖は今後どう花咲くんだろう。<ミスチル>
愛情の持つ凶暴さと甘さを両方ごっちゃに一曲でぶつけてくる新曲陣。怖い。怖かった。込められた想いは優しい類のはずなのに、響きのふれはばが濃ゆすぎて受け止めきれない。新曲の気配は既存曲にも折りまぜられてて、明るい内からぶつけられる「フェイク」→「掌」はスタジアムの流れを汲みつつも「ANY」よりも強烈。獣の狂気をその様に歌うんじゃなくて、人の眼差しと融け合わし解き放つ。今までもそういうとこあったけど、媒介できる曲が限定されてたのに、バンドに、ボーカルに、馴染んできてる。スタジアムツアーだと思う。あん時に絶対なんかオろしたって。再会が楽しみな様で怖い。これ以上どうなる気だ。
構成としてはバンクバンドが徹底的にホスト役に徹してました。一部・二部で各最初と最後の繋ぎを担い、バンドとしては「よく来たね」・「春待つ息吹」・「優しい歌」・「緑の街」(小田さんカバー」の四曲のみ。ゲスト数に比例して曲数多いのもあるでしょうが、“バンクバンド”として伝えることはこれで十分ってことの様に感じました。チルん時に見せた、「聴かせたい曲一杯ある!」と前のめりな言葉と姿。ミスチルの選曲はいつもに比べて凸凹してる印象があって。いつもすげぇ隙のない構成ぶつけてきますが、今回は言葉通りに聴かせたい気持ち先行で結果ちょっといびつになっちゃった様に思いました。

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香美嬢の説得力がすさまじかったとかファンキー親父和正氏は無茶をするとかASKAさんの側転?とかKANさんの今年のコスプレとかさすがに桜井(寿)も予想してたかでダメージ少なかったとか、心に身体に刻まれまくった出来事はたくさんあるんですがそこは鹿野さんに任せて、私は私が今年出会った想いを記して終わります。