ap bank fes06 inつま恋&NANO-MUIGEN FES.2006

1年前つま恋にて「ミスチル」を取り戻した男が、今度は取り戻した「ミスチル」で「ミスチル」として零したものを奪い返してきました。

サクがミスチルを取り戻した段階で、サクが歌う場所としてのバンクバンドはもう必要ないなと。そのため今後のバンクバンドはセッションという化学反応実験実証の場として活躍していくかなという予想をうっすら抱いてました。バンクバンドにて誰かの唄を通じて伝えていたものを、もう自分の言葉でそして自分たちの音楽で伝えることができる。やりたいことは全部ミスチルでできる。そのことを新曲「彩り」にて、1年後の今年証明してきました。

拾いなおした後もなお拾い続ける。。表現者という近代的神経症患者として、まっとうすぎる異常状態。最強じゃん今のあいつ。自分たちの音楽と自分の好きな唄たちに思いを託して歌って。心底幸せそうでした。

時間は誰にも平等に流れてて。1年前の横アリで泣いて最後まで歌えなかったという唄を、今年細美さんは穏やかに笑いながら歌ってました。

1年経ったんだ。あの人にとってもこの人にとっても、私にとっても1年経ってた。1年の間にあの男もあの人も変化し続けて、そんで私も大小問わず変わったことがある。そんな事を確認した3日間でした。


僕と君と世界という3つの関係性。そのサイクルの中で挫折してばっかり。まっこと生き辛い世の中ですけど、どうにかやってくしかなくて。開いたり閉じたりしながら「過去」から「今」の答えを手繰り寄せて、「上書き保存」を繰り返してく。ただそれだけのこと。

この半年吉本隆明著作の「共同幻想論」に触発されてずーっと考えてる関係性って幻想領域と表現って幻想領域の構造が、アジカンさんを契機に集約して整理できました。

構造が整理できたからこそ、サク巻で幻想対談とかして欲しい欲求もグングン。「恋」とか「家族」って幻想を2人で話して欲しいの。巻は「幻想」って認めなさそうで、サクは「幻想」と認めた上でいると思うから。そういう違いがなおのことエキサイト加減に期待。司会はもちろん渋谷陽一で。頼んますロキオン。


2つのフェスのはしごで3日間たくさんの音楽と人に触れ、またたくさんの好きが増えました。バンクフェスとナノムゲンフェス、出演する層も違けりゃ客側の層だって違って、まったく関係のないように思える2つのフェスですけど。音楽バカが音楽への愛情と恩を還す場としてのフェス空間。根底にあるのはとても近いと感じます。

感覚と脳と身体フル活用でグッタリですが、しあわせもんですホンマ。やっと会えた。でももうさよなら。次の逢瀬までね、また選んだ戦場に戻ります。