「飛び出すのならここからだ」(フジファブリック ホシデサルトパレードTOUR2011 in大阪なんばハッチ)

富士急から約1年半、待ちに待った土曜日がやってきた。やっと、やっと会いに行けた。

二時間をこんなに短く感じたことないってくらい、あっという間だった。自分も彼らも会場中が、すげぇ集中して全力で駆け抜けて楽しんだ。その気持ちにこの笑顔に嘘はないけど、どっかでみんな必死だったようにも感じた。
私だけじゃなく、あの場にいた全員がそれぞれどこかしらであいつを感じて、あいつを探してしまう瞬間があっただろうと思う。その面影に足を止めるだけじゃなく“今”を作るために、全力で楽しむために少しだけみんなが頑張って、最高の初日を築いてた。
その必死さってのは、特に総くんが果敢に叫んでたのが象徴的してたと思う。最初全然声でてなくて、「夜明け〜」とか志村のキーって総くんにとって低いのかとハラハラした。「スワン」でちょっと持ち直したと思ったら、「B.O.I.P」で一気に上昇してその選曲とあわせて驚いた。
今回演った「MUSIC」以前の曲のが堂々としてる印象すらうけたんだけど、よく考えたらずっと一緒に唄ってたんだもんね。それぞれの楽器でずっとあいつと唄ってたんだからそりゃ身体に馴染みきってるよね。

うまくのりきれなかったり拙かったりするけど、この拙い叫びからまた始まるんだと思った。いつか出会った、いつか焦がれたものとそっくり同じじゃあない。違うもの、だけど繋がっているもの。いつか夢見たものと確かに繋がっている新しい音。

なんか、人生って悪くないもんだなって思った。あの夢の代わりにはなりえなくても、この未来もなかなかどうだ悪くない。

楽曲もモチロンだけど、ずっと“バンド”にこだわって憧れ続けた男が得た“フジファブリック”ってバンドそのものがあいつの魂で、あいつの軌跡で、あいつの証明なんだって改めて思う。このバンドが鳴り続ける限り、あいつは“ここ”に存在し続ける。音の洪水の向こうに、鮮やかに蘇る。すごいことだと思う。すごいことをしてると思う。志村は幸せ者だよ。そんな幸せ者を想う、幸せな夜。


<セットリスト>(2011.12.18修正)
1.STAR
2.理想形
3.夜明けのBEAT
4.スワン
5.B.O.I.P
6.スプラッシュ
7.地平線
8.パンチドランカー
9.アイランド
10.MUSIC
11.Drop
12.君は炎天下
13.パレード
14.TEEN
15.アンダルシア
16.会いに
17.虹
18.ECHO
EN1.星降る
EN2.TAIFU