愛の色は、愛の歌は、

CHRONICLE(DVD付)

CHRONICLE(DVD付)

なんてバンドだ。なんてバンドになったんだ。感情の全てとしかいえない。美しい醜い、優しい激しい、嬉しい哀しい、柔らかく痛い。これまで出会ってきたかけがえのないものに抱いた感覚。そんな全てを獲たサウンドが、一人の男の孤独と愛と妄狂を響き放つ。なんて音を刻みやがる。なんて歌を・・・なんて音楽を届けやがったんだ。
鮮やかな世界に投影したあいまいな郷愁は、いつかの引っかき傷を慰めてはくれるけど、その気持ちからすらどこか追いてけぼりになってた。目の前の景色や季節に頼らずに今の自分だけをぐっと見つめてみれば、鮮やかな世界に負けない程たくさんの音が飛び出してきたんじゃなかろうか。そんな残像と共に届いたこのアルバム、TENNNAGERから1年ちょっと、段とばしな深化っぷりです。
これまで距離を保ってたもの、“君”であって“僕”であってその間にあるものにもう一歩踏み込んで見つめてる様に感じるのですが、その結果か“孤独”がこれまでになく滲みだしてる。これはもう愛の歌だよ。愛の歌への一大プロローグだよ。ついにモノノケが愛の歌を紡ぐ、ここから始まるクロニクル*1、なんてね。

*1:年代記、広義に歴史、物語