鐘が鳴る 優しく強く、鐘は鳴る(フジファブリック TEENAGER FANCLUB TOUR in富士五湖文化センター)

http://www2.plala.or.jp/buntan/e/08-f-0531.jpg
泣きそうな茜色、泣いていた茜色。志村の夢が叶った。志村が夢を叶えた。その時間をライブという形で共有できた。
とても良いライブだった。あの場にいたほとんどの人がそう言うだろう。だけどこの気持ちを富士吉田開催の特殊性にのみ集約させたくない。ツアーを通じて、アルバムを通じて、今までのそして今のファブがしたことしてきたこと、そしてリスナーでありファンである私達と重ねてきた経験が繋がって生まれた時間。このツアーそのものがそういうものだった。富士吉田という特殊条件でみえやすかっただけで、全国各地で今夜のような素晴らしい空間を作ってきたと今なら断言できる。
ファブのライブは“一緒に楽しむ”とか“ひとつになる”とか、そういうことをわざわざ言うのは違和感がある。ステージから音像を全力でぶつけてくる人達と、その波をフロアにて同じく全力で受け止める人達。言葉悪いけどお互い勝手にやって勝手に楽しむ中で、シンクロする瞬間がある。
初めて、目があった気がする。あくまで比喩ですが、今までちらっちらっとファブと私達リスナーお互いがお互いを好き勝手やる中でチラ見してたんだけど、その視線がやっと交わった気がする。かといってずっと見詰め合ってるってんでもなくて、相変わらずどっちもてんでばらばらに好きな方向見てんのに、だけど不思議と視線が重なる。熱が、音が、振動が重なってくる。その瞬間瞬間が積み重なって、「楽しかった!」としか言えない夜になる。
そんな空間を私達は彼らと作ってきたんだよ、私たちは彼らと生み出しているんだよ。なんて幸せなことだろ。なんて幸せなんだろ。行った人、行けなかった人、行かなかった人、フジファブリックが好きな人、これからフジファブリックと出会う人、その全ての人に私は伝えたい。