「Clap your hands!Sing a song!!」(アナログフィッシュ2008 HARF YEAR Presentation「SIX PISTOLS」in京都磔磔)

例えばドンちゃんやもりよっさんが「音楽の神様」と呼んだ存在。日本初のライブハウスである捨得と並ぶ歴史を持つ磔磔。そこには何かがいると、足を運んだ人達は口をそろえる。私にとってはこの3年間何度も通った場所だけど、今夜初めてその存在を近くに感じた。
いつものエレキ、いつものベース。だけどいつもの<アナログフィッシュ>と言うには一人足りてない。そんな<アナログフィッシュマイナス1>。欠けたリズムを担うのは会場中のクラップハンド。彼の人を想って歌い叫び響かせる。佐々木健ちゃん・下岡さん両氏にとっても、私たちにとっても、州ちゃんの復活を待ちながらも進むために過ごした時間。そんな大事な夜になった。そんな大事な記憶になった。
2人編成のお知らせと同時に払い戻しのお知らせも出てた。あくまで3人によるバンドを前提としてチケット買ってくれたんだという、誠意ある認識からくる対応だと思う。当日を迎えた会場はぎゅうぎゅうの満杯。払い戻し者なんてほとんど出なかったんじゃね?って混雑ぶり。バンドでの再会を楽しみにしてたのはホントだけど、2人だけでも来てくれるんなら、2人だけでも奏でてくれるんなら、その音に会いに行きたいと思ったの。それはきっと愛情。“アナログフィッシュ”という存在に対する愛情。愛情に応える誠意と、誠意に触れて生まれる愛情。その共鳴が音楽を作る。1曲目「LOW」、下岡さんの誘導で起こった手拍子と彼らの音が重なった瞬間から今夜はすごい時間になるって確信した。
エレキ・ベースにクラップハンドを加えた<アナログフィッシュマイナス1>形式、佐々木・下岡各ワンマンショー(アコギ弾語り)形式、2人アコギ弾語り(ゆずVerとは佐々木談)形式と3種組み合わせて2時間。AC終わっても拍手が鳴り止まなかったけど、できる曲がもうないとのことでWACはならず。今夜のことはホントにごめんなさいと、今夜披露した未発表新曲たちをバンドで聴かせに必ず来ると約束してくれました。
ライブ始まる一番最初に説明してくれた州ちゃんの事は「本人もすぐ回復させると言ってます」と下岡さんの言葉から、体調不良はあくまで体調不良で深刻なことはないようだと安心できました。ちくしょう佐々木の健ちゃんめ、あんな不安になる言い回ししおって。大事ないんなら何よりなんです。延期なら延期でも待てたんだけど、ただこの夜をぽっかりなくして待つよりも、今夜という思い出を持って待つのならなお約束を信じて待てるというもの。2人だけでも来ると決めてくれてありがとう。
音楽の神様の正体は場に蓄積された、記憶の気配なんじゃないかと思った。目には見えないんだけど、空気として層をなす。今夜の記憶もその層の中に刻まれてったのを感じた。人と人が音楽を介して繋がった記憶が、また次の奇跡を生み出す手助けをするんだろうな。今度あの場所に立ったときに、その未来では過去となった今夜の想いが、きっと州ちゃんにも伝わるんだと思う。そう信じれる夜なんです。
佐々木健ちゃんの言い回しが与えた不安感てのは私だけじゃなかった様で、開演前までのに響く会話のほとんどがそんな感じでした。「ちきしょう佐々木の健ちゃんめ」なんて安堵感故に浮かびましたが、弾語りほとんど初で珍しくテンパってる下岡さんを支えてたのもまた健ちゃんでした。変に口数が多くて、ああ緊張してるんだなってのが判りやすく出てた。弾語り経験多い健ちゃんのことを、下岡さんがしきりに感心してましたわ。健ちゃんが前半引っ張ってくのに、下岡さんも後半リラックスしてった印象でした。下岡さんの弾語りのレアさも含めてそうそうないって意味では貴重な夜でしたが、でもやっぱ州ちゃんあっての、3人そろってのアナログ!佐々木健ちゃんと下岡さんの2人にありがとうを、州ちゃんにお大事にを、そして“アナログフィッシュ”にまた会おうの約束をめいいっぱいの拍手にこめました。来月の6ケ月企画ラストは3人そろったアナログの姿を見せてくれると願ってます。

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あと今日って佐々木さんお誕生日だったんすね。下岡さんギターでハッピバースデー歌ったよ。ありがとうに、おめでとうも付属して。