狂犬VSモノノケ、あるいは肩肉VS肩幅(YOTU-UCHI FANTASY2 スパルタローカルズ/フジファブリック in新木場studioCoast)

もう二年前になるスパルタ・アナログ・フジファブの3バンドによるロック異種格闘技ツアー、"GO FOR THE SUN"を今だ鮮明に覚えてらっしゃる方々も多くいらっしゃるでしょう。私もその一人。その3分の2がガチで対バンと聞きゃ行くっきゃない。オプションに就活付けて、またも関東台地を踏んでおります。
「あいつら(=アナログ)3人でかっちりやってるから、今回はいいやって事になりまして」なーんて志村から不穏な発言なんぞも飛び出しましたが、あれからDr脱退も経てそれぞれの形で暴走高める両バンド。狂犬VSモノノケ、勝負の判定は…どっちもどっちですっげーよ!!
先攻はファブ。「銀河」から「SuferKing」、多分次のシングルカップリング曲(先行視聴逃した罠)、「パッションフルーツ」と新曲群畳み掛け。目下バンドのテンションが急上昇で、志村のボーカルが物足りない場面が若干出てきております。次なる変化に期待がかかってるトコですが、声の表現を随分と大事に、そして果敢に攻めてくるようになってんの。具体的にはギターから手を離しだしてんだけど、これすごい大きな変化だと思う。今まではギター弾かないトコででも握ってないと落ち着かなかったんだろうけど、そんだけ歌に集中してるてか、入り込んでる証だと思うのですよ。まだそりゃ品質的に不安定でもあるけど、声がまた新たな音情として重なっておもしれぇったらないよ。
浮かれてんのか微妙に強気な志村がひとしきりコウセイをイジった後、「一歩進んで一歩戻る、そんな曲を」と次回シングル曲「若者の全て」に。聴いて驚いたんだけど、この曲二月の倶楽部AKANEIROで会ってる。そん時は視点は広がってるけど、どっか甘ったれた感触を受けてたんだけど、今夜の再会ではなんか全然違う曲みたいな印象すら受けた。
重い想い囚われてたその足を、一歩なんとか踏み出したら思いのほか駆け出す事ができた。そうやって随分遠くまで来れた気がしながらも、ふっとまた想いに足をとられる瞬間がある。変わってないのかな、変われないのかな。想いは重なるばかりだけど、またもう一歩だけでも足を進めてみようと思う。前よりも想いの重さは大きく感じるかもしれないけど、たった一歩で随分と視界が変わる事もちょっとだけ知ってる。闇雲につっこんだあの時とはまた違う一歩を、ゆっくりでも踏み出そうと願う姿が映る。
聴き入る会場の空気に、「久しぶりの曲を」と「蒼い鳥」、そして「打ち上げ花火」に誘い込む。久しぶりの「蒼い鳥」がまた濃さ増してんの!振り切る速度の反動の様に、溜めの渦も深さをえぐる。巻き込まれっぱなしの会場を「ダンス2000」、「TAIFU」で煽りまくって「虹」で振り切って締め。量が増した想いを連れて、飛翔の高さをグングン伸ばしてく。
牙を見せた。とうとう、いよいよ、牙を見せだした。お行儀よくした位置で威嚇してたと想えば、いつの間にかしゃにむに体当たりかましてくるようになって、そんでいよいよ牙をちらつかせてきた。来い、こい、こい。その牙で食い殺される日を待ってんだよ。ワックワクする。なぁな、どこまで行くかい?いつも今夜だって通過点。過去にも今にも満足だけど、どうしても未来が欲しくなる。イケイケモノノケ、どこだろうがきっと絶対おもしれぇ。くぅ、ツアー待ち遠しい!

後攻がスパルタ。新曲中心に攻めたファブに対し最近やってないのオンパレードで、あちこちから感嘆歓喜こぼれる溢れる。その振動もきてんだけど、一線かくのがまさかの「メロディ泥棒&ビート刑事」。 こないだ発売されたばかりのライブアルバム付属DVDのためのこの新曲。今までのコウセイを媒介にした叫びの質じゃなくて、もっと何か違う気配。この歌の瞬間だけはまったく知らない別人であるような印象すら受けた。一体何だったんか判んねぇのが悔しいけど、とにかくすごかったとしか言えやしねぇ。わりにコウセイはハンドマイクなイメージが強いんすが、今回は終始ギター離さずガンガンかき鳴らしてた。梶山さんが正式加入してから私個人的としてはやっとお目見えでしたが、やっぱ今すげぇ盛り上がってんだなってのを見せつけられたわ。こっちが迫力に呑まれちまうくらいの出力ぶっけてくるのに、あてられてポカンとしてるだけじゃなく、届いた振動煽られるまま踊るぜ踊るぜ。ACはスパルタだけで「theピース」と「東京バレリーナ」。
これまでの鉄板ソングがAC回しになる程に、最近のスパルタはこれ聴けて嬉しいすぎんだけどあれもやっぱり聴きたい…というジレンマがつきまといまする。でもだからこそ、また会いに行くよ!永遠を感じさせてよ、ロックとハニー。<その他報告>
●初体験コーストは東京駅の京葉線乗り換えが鬼だけどZeppより便利じゃね?ステージが横長でキャパのわりにただっ広さを感じないのも好感。ただ終演後ドリンクカウンターがめちゃ混みしてたのと(ボトル選ぶシステムでなかった)、まだ八時半だってのに閉館が近いから早よ出ろと急かされたのが気になった。お宅の閉館は21時とかなんすか?(まさかな…。
●先攻ファブMCで「まだ今日一言も安部コウセイ(フルネーム呼び捨て)と口きいてない」だの「スパルタがしょぼい演奏したらお客さん帰っていいですからね。こう言っといたらすごい演奏するしかないでしょ」と、やたら志村が挑発するってかちょっかいかける。なんだ何だ、二年前一方的にイジられてたオレとは違うんだアピールか?BUTまだまだコウセイのが上手で「志村くんがオレの悪口言うとったな」「安部コウセイさん死ねばいいのに、とか」(志村は勿論別にそこまで言ってないが、ただし゛さん゛は付けてない)「傷つくなー」とイジり返し。あと志村の声マネってか、あのローギアのテンパり喋り様を再現。ライブの勝負は甲乙つけだかしも、イジり合戦においては狂犬が一本。関係ないが私の乙女心もコウセイに一本。髪切っててデコ見えなコウセイにドキドキしっぱなし。
●最新アー写で被ってるのと思わしき帽子で登場した志村すが、二曲目くらいでなんと客席に投げる。 ノリでやったんだろうけど後でハラダさんに怒られねぇか?(衣装はもうハラダさん準備という刷りこみ)、と心配してたらはける時に「あ、帽子返して下さい」と情けない声での訴え。無事に返してもらえたかねぇ。

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http://blog.excite.co.jp/spartalocals2/7143891/
ギャー!期待してたけどおかしな2ショット!!(喜。被ってんのは投げてた帽子と多分違うけど、ちゃんと返してもらえたかしら?なんかすごい仲良さそうじゃん、こうやって見ると(別に多分悪くもないだろうけども。