LIVES感触1「君に出逢えてよかった」

<君のおばあさんの そのまたおばあさんは どんな女の子だったのかな?>

こんなラブソング描ける人、他にいます?今の所私は知らないし、少なくとも今の若い子には歌えないと思う。君と僕の今の関係の背後に各々を育んだ家族があって、そして2人の関係の先に2人で作る家族が想定されている。こういうラブソングが歌えるのは、呼人さんの歌の中で「君」が明確に女の子であるということが一因かなと。男女のカップル的な対幻想*1が機能しているから、家族の形成に帰着できる。現存のラブソングの多くは君と僕の「今」の関係を描くことに終始してるし、むしろ厳密に言えばラブソングではなく広く関係性ソングと言いかえれる、対の相手の「君」の無性別化*2が進んでいると思います。BOY meet GIRLの前に、I meet YOUすらままならない。それもひとつの事実ですけどね。

ちなみに
<「そろそろかな」とつぶやく僕と「まだまだでしょ」と笑う君>
背後の家族は描いていないけれど未来に家族になる可能性(=具体的に結婚)を含んでる例として、スキマの「種を蒔く人」なんかはおもしろ可愛いと思います。
そして無性別的共対幻想が溢れる中、混じりっけなしの対幻想ソング鳴らしてるtheARROWSをデラおもしれぇと思うのです。ロックイン初遭遇ん時に、「こんな表現がまだ生き残ってたんだ」と言ったのはそういう意図によりです。判り辛いけど誉めてたんです。

*1:by吉本隆明

*2:その新しい幻想領域を吉本が定義した3段階、共同幻想・対幻想・自己幻想に対し「共対幻想」と定義して考察中