新しい夢を、僕らはまた見れるかな

アナログが3人写真になりましたっ!!(拳。

だめだ、10×10×10までとっとくつもりだったけど、あんな写真見せられたらだめだって。帰ってくるよ、じゃないんだ。帰ってきたんだ。おかえり、おかえり州ちゃん。そんでおかえりなさい、“アナログフィッシュ”。
オリジナルドラマー不在のこの1年半、2プラス2の体制で本当に素晴らしい音楽を鳴らしてくれたけど、その音は喪失が前提にあるとずっと思っていました。2008年2月23日の京都公演を最後に、3人のアナログフィッシュっていう夢を私たちは一度失ったんだと思っています。州ちゃんへの想いを、アナログフィッシュという存在への愛情を、確認し循環したあの素晴らしい時間。
悪い予感がまったくなかった訳じゃあきっとないと、今になって思う。あの夜、下岡さん佐々木さん2人から伝わった力強い言葉の中にぬぐい切れない何かはきっとあったんだと思う。一人の、一音の不在がみせるそれ以上に大きい何か。悪い予感をふりきるように、欠けた想いを補うように、私たちは音を重ね響かせた。そうやって私たちは同じ夢をあの日描いた。3人の、アナログフィッシュの姿。それは美しく完璧な夢。一片の曇りもない、純粋なもの。あの夜生まれた音楽は、その夢そのものだった。それからしばらくして、私たちはほとんど同時に同じ夢を失った。
終わらないはずの夢が終わってしまった。認めたくなくて認められなくて、それでもなんとか痛みひきずって会いにいった新体制のアナログフィッシュの音楽が、あの日の夢を忘れるためのものなんかじゃなく、むしろあの日の夢を取り戻すためのものの様に感じました。美しく完璧な、あの日見た夢に少しでも近づくために、欠けたものを埋めるように音を重ね響かせた、あの夜そのもののような音楽だったから、ひどく安心したのを覚えています。
この1年半、2プラス2の体制が届けてくれた音楽は本当に素晴らしいものでした。この音楽が鳴り続けたからこそ、“アナログフィッシュ”という夢を抱き続けることができたと思っています。失った夢を取り戻すという、新しい夢を支えてくれた音たち。制御できない喜びに叫ぶっていうのが近い泣き方をした後、湧きあがったのはただただ感謝の気持ちでした。アナログフィッシュを諦めないでくれた下岡さん、佐々木さん。新しい夢を支えてくれた木村さん、ビッツくん。みんなとは違う場所できっと闘ってたんだろう州ちゃん。
どんなに得難いものか分かってても、奇跡だなんて言いたくない。奇跡だなんて言っちゃったら、失礼な気がするんです。夢を叶えたんだ。夢をかなえてくれたんだ。ありがとう、あの日の夢を、あの日の約束を叶えてくれてありがとう。
遅れたのを照れくさそうにやってきた、彼の姿が見えた。空席が埋まった。ここから今度はどんな音が、どんな夢が始まるんだろう。