何度目だろうと伝えたい(LOST IN TIMEワンマンライブツアー「動き出したバスに乗って、僕らは靴紐を結び直す」in京都磔磔)

ロストとしては去年の「時計」対バンツアー以来、3回目のタクタク。私はそん時に「時計」聴いてロストの音楽と出会ってたけど、予定が被ってて諦めた。「きっとすぐにライブしてくれるだろう」って自分に言い聞かせて、残念ではあるもわりにあっさりと。
それから春も夏も終わって秋も過ぎかけた頃、やっとインストライブで会えた時は2人のロストインタイムになってた。3人のロストに会えた、唯一で最後の機会をこうやって零してた。その話をする度に「もったいない」と言われてきたけどごめんなさい、あくまでも結果論でだけど後悔はないの。今夜またもう一度、新しく旅を始めたロストインタイムにタクタクで会えてそう思った。
そりゃ聴けるもんなら生で聴いておきたかったってのも本音よ。榎もっちゃんのギター、海北さんのベース。でも選んで進んでそうして奏でる“今日”の歌に、どうしようもなく心が震えるの。雨の唄も曇りの唄も晴れの唄も昨日の歌でさえ、明日を願う今日の歌と共に紡ぐ。その姿にその音に、心が奮うの。
「明日一歩ふみだしたら、今日がお前の旅立ち前夜だ」
SOLに初めてロストがゲスト出演した回で、こう言ったのは校長。その言葉を思い出した。何時だろうが何度目だろうが、思い立ったら始めりゃいいよね。思い立ったら、伝えりゃいいんだよね。見える部分でも見えない部分でもこの1年ちょっと、すげぇ色々ロストはあったんだろうなってのは感じる。でもそんなんどうでもいいやって思った。ホントにほんのちょっとだけ、ツアータイトル決まった時に「また始めるの?!(厳密には まだ“始まり”なの?!)」って思わんでもなかったんだけど、そんなんちっぽけな事だって思い直しました。
何時だって何度だって、始めたらいい。走り出した途端に躓いちゃっても、起き上がって歩き出せばいいだけのこと。そうして続いていくこと願う。昨日の歌も今日の歌も、雨の唄も曇りの唄も晴れの唄も全部全部、明日を作る歌になる。この歌たちと始めたい、この歌たちと生きてきたい。

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私はロストの音楽を、この振動を、好感でもって受け止めてるけど、このゆらぎはキツいなとも思った今夜。
<動き出したバスにのって僕らは靴紐を結びなおす ありがとうを言い残した人達に伝えに行きたい ありがとうと少しのごめんなさいをこめてこの歌を>
「旅立ち前夜」前に弾語りでこう奏でた最後<君の背中をおしてあげる>って呟いた言葉にヒヤっとした。なんつーか、生に突き落とされるって感触。あ、今突き落とされたって思った。今のロストの振動は、海北さんの姿は真っ向から生きる事をぶつけてくる。生きる姿は、生きようとする姿は希望になると同時に絶望にもなりうると思う。私が好感でもって希望としてとらえる振動を、絶望にとらえる人もきっといると思うの。そう思ってたら絶望の中からでも生まれる希望があると、そういうことを思って新曲を作ったと海北さんが言いだした。本編最後でやったその新曲は「誕生」。
年末から年明けにかけて新曲のレコーディングできる目処がたったと話してくれました。どの曲がそこで形になって届けられるのかは判んないけど、早く会いたいなぁと思う。そんでもって届くといいなぁとも思うのです。願うのは勝手だから、許しといて。

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あとねACで「田舎の生活」と「羽化」聴けたの…。「時計」ツアー逃したひっかかりは榎もっちゃんのギターと海北さんのベースと、そんで「羽化」聴きたかったこと。今夜京都タクタクを「羽化」で締めたことで、私にとって余計リセットされた。タクタクは9時で音締めになるから時間ぎりぎりで、「田舎の生活」やった時点で5分きってたから「お店に迷惑かけちゃいけないから1番だけにしない?」って海北さんは言ってたんだけど有江兄貴が「えー」って言ってくれたおかげで全部聴けました。しっかり時間内でセーフ。きっちり2時間、ありがとでした。
いやぁしかしMCとかでも有江兄貴のお気遣いで客側と海北さんのコミュニケーションがフォローされたり、お世話になりっぱな夜でした。あっざーす!(むせび泣き。

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海北さんは「置いてけないもの」だけど、志村は「置きそびれたもの」かなと思った。ポケットいれっぱなしだったものに、気づくところから始まる物語。

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生を突きつけてくるったらバンプですけども、初期のむきだしの音の声の鋭さを緩和してたのは表現(物語)というコーティング。それが取っ払われてきた最近は、そういえば音や声がものすごく優しいものが多くなったなと今更の様に思ってきました。
今のロストの振動はむきだしすぎて危うくなりえるかなとも思ったけど(鋭さの反動の摩擦の存在が、現状クッションがない分きっと強い)、きっとこれからも変わってくんだろうな。学園祭ツアーの時に感じたヒカリはまだ淡くてゆらいでたけど、今夜感じたヒカリは、放つヒカリはどんどん強くなってた。でも眩しすぎるヒカリには目をつぶされちゃう人もいる。そう歌った海北さんに、今度はそんな人達にも届くヒカリを紡いで欲しいな。