「君じゃないとさ 意味がないのさ」(88ROCK!!〜Hatch Go Round~)

88の日にハッチでイベントライブっー粋な計らい。
NICO Touches the Walls >
このキャパを前に圧倒の貫禄。初めましてでしたが、一発で音が侵み込んできた。すごイイ!クセのある声と歌い方の人は好き嫌い別れるとよく言いますが、でも声ひとつで世界を作れるのは強い武器だわ。世界を切り拓く閃光か、世界を彩る燈か。

レミオロメン
誰かと生きることを知ってるバンド。誰かを求める歌はたくさんあれど、誰かと生きる歌は案外少ないと思う。あまりにも簡単に分かち合えたり、あまりにもあっさりとすれ違う。誰かと生きることは、誰かと生きることを選ぶことは、喜びにあふれただけのキレイなものじゃない。選ぶものと、選ぶために捨てるもの。そのつりあいにいつも右往左往。絶対の、正しい比率なんてどこにもない。ただ己の求めるところ。そこにしかない、ここでしかない。
誰かと生きることはとても簡単で、そしてとても難しい。問題はそれでも人を求めるかということ。すれ違っては手をつなぐ。何度も何度も。そうやって描いてく、未来の形。誰かと選ぶ、未来の色を見せてくれる。

ASIAN KUNG-FU GENERATION
人を求めるということは、自分を確かめることと同じ。言葉や行動として伝えることで、ゆらぐ想いが形になる。どうせいつか消えてしまう。どうせすぐに忘れてしまう。そんな気持ちだとしても、そんな気持ちだからこそ、消える前に忘れる前に伝えてよと云う。君じゃないと、君がいないと。「人は一人では生きていない」なんて言葉よりもずっともっとただ切実に、不確かな自分の想いを確かめたくてのばされる手。“君”と“僕”の想いが出会って、新たな想いが生まれる。そんな未来を願ってる。そんな“今”を求めてる。

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誰かと同じ時間を過ごすこと、誰かと同じ景色を見ること。それはとても簡単なことだと思う。誰かと同じ時間の中で同じ景色を見ながら、まったく同じ感情を抱くことは難しい。ある程度近しいことは可能でも、厳密にいえばありえない。ただ、今夜こうして同じ時間同じ景色の中、彼らの音楽に対してそれぞれが何かしらの想いを抱いているという事実は違わない。
音をかき消す無秩序な合唱ってのは迷惑になりますが、暗黙の配慮による共存点で存在すると思うんですよね。レミ「スタンドバイミー」で、『(青い星を)行けー』のトコで巻の声と会場中の声が、ホントにそこだけ見事にあわさって鳥肌がたった。あがる拳、重なる音、融ける温度、揺れる空気。ライブハウスという空間でその全てを分かち合う。同じ景色に違う感情を抱いてもかまわない。大事なのはそこから確かめ合うこと。
世界と君と自分とを、求めて鳴らすロックンロール。それは目の前の君や未だ見ぬ君に宛てた、未来につなぐラブレター。