「ダメな人と叱って」

Mステがミスチルチャットモンチーだったよ。

桜井(寿)はグット・ポップソングメーカーだけども、その曲を奏でるミスチルはグット・ロックバンドだなと改めて思った「しるし」2回目。POPっていうのはポピュラリティーであり、ポジティブだと捉えてます。具体的な日々の個々人多様な具象の中から、共通する普遍の感触をくみ出す行為。だけど真理だけでは何の慰めにもならなくて。人が生を紡ぐためにほんの少しだけども必要としてる希望を、ほんの少しだけでも人が求めているということを最大のリアリティに織り交ぜて届けるのがPOPソング。対してロックとは世界に対する反抗だと捉えてます。世界に対する反抗そのものが近代的生のありようだと言えるとも思いますが、自身が疎外し*1自身を疎外した世界に対する反抗。外化した世界から、君や世界自身を取り返すための一撃がロックグラウンド0。イチ個人の生に対する欲望を、期待を、執着をエネルギーの源としながらも、万人に共通する真理を希望と共に響かせる。ロックから生まれたPOPザウルス。やっぱすげぇや。

チャモちゃんは女の子って怖えなぁと思うヒヤっとする感触を、あの声と音の痛快さで伝えてくるバランスが素敵だなと思います。自分も女子として抱く感触にリアリティを感じながらも、共感というよりは女の子ってこういう愛し方ができるんだよなと恐々とします。チャモちゃん聴いて「キュンとした」と言う藤巻よりは*2、「女の子ってこういう風に想ってるんだ」とちょっとビビる後藤さんの感受性が好き。そういう風に諦め半分で許容されてんだよ、そこんトコ判った上でキュンとしてる?と問いたくなる藤巻は、甘ったれきれなくても本能的に甘え上手な甘ったれクリーチャーだと思う。

*1:この疎外はヘーゲル的「疎外」aubernじゃなくて、マルクス・エンゲルス的「疎外」ent-aubern。単なる外化じゃなくて、歯向かってくるほうの外化

*2:ロキオンのvol296だったはず